心不全で入ってきたAさん、VS落ち着いてて浮腫や息切れなく経過中だ。
でも、もっと詳しく状態を知るにはどうしたらいいのだろう…?
心エコーやレントゲンも行っているけど、画像読めない…
心不全患者さんの看護では、血圧スケール(収縮期血圧100mmHg~140mmHgを逸脱したらDrコール等)、水分制限、安静度制限の遵守がメインなイメージがあります。
一方で、心エコーやレントゲンの読影などはハードルが高く、「心臓の機能自体」の評価をもとにアセスメントすることは新人看護師には難しく感じられることはないでしょうか…?
そこで、最も基準がはっきりしていてわかりやすい採血データから紐解いていくのはいかがでしょうか?
心臓自体の機能を表す項目
心機能を表す検査項目(心不全マーカー)はANP, BNP, NT-pro BNP の3つがメイン。
➀ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)
心臓に負荷がかかると心室から産生されるホルモン。
効果:利尿・ナトリウム排出促進→前負荷の軽減
血管内皮透過性亢進により末梢循環の改善と前負荷の軽減
★透析の前後で変動が大きいため、透析をしている心不全患者にはANPの測定が行われることが多い。
②BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)
心臓に負荷がかかると心房から産生されるホルモン。(豚の脳から発見されたために脳性と名がついている)
病態に応じた反応が鋭敏→症状が出現していない状態でも血中濃度が上昇する
→スクリーニング検査の採血でも使用される。
効果:利尿・ナトリウム排出促進→前負荷の軽減
血管内皮透過性亢進により末梢循環の改善と前負荷の軽減
心筋細胞への負荷が上昇すると、pro-BNPが生産され、BNPとNT-proBNPに分解されることにより、BNPが生産される。
③NT-pro BNP(BNP前駆体N端フラグメント)
心臓に負荷がかかると心室から産生される物質。
生理活性(体の生理的な調節機能に対しての作用)はない。
血清採血での測定が可能なため、検査が簡便。
※ANPとBNPは通常の血清採決では測定できないため、EDTA採血を行い血中濃度を測定します。
まとめ
・ANP,BNP,NT-proBNPの評価により心機能を評価する手掛かりが得られる。
・より詳しい内容については、順次更新していく予定です!
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